TPAMiYサマーセッション2011開催

ss2011
2011年3月11日に発生した東日本大地震による震災と原子力発電所の事故によって私たちを取り巻く環境は一変しました。すでに抱えていた現代社会の矛盾が顕在化するなか、舞台芸術の現場で働く私たちが今後を生き抜くための情報やアイディアを共有しつつ、ネットワークの時代とも言える「3・11以降」を議論するため、2011年2月に実施した「国際舞台芸術ミーティング in 横浜」(TPAMiY)の関連事業として、この8月にTPAMiY Summer Sessionを開催します。

日時:2011年8月5日(金)~8月7日(日)
会場:ヨコハマ創造都市センター(YCC)3F
参加費:3日券 1,000円/1日券 500円(要予約・定員制)
主催・企画・制作:PARC – 国際舞台芸術交流センター
共催:公益財団法人横浜市芸術文化振興財団
助成:横浜市マザーポートエリア活性化推進事業
後援:横浜市文化観光局
ヨコハマトリエンナーレ2011連携プログラム
関連イベント(要予約):サーカムスタンス『サトルモブ:これが最後であるかのように』

8月5日(金)

16:00-18:00
セッション1:「東日本大震災を受けて中間支援組織が行なっていること」

モデレーター:坂田雄平(Arts Vision Network 311 事務局長)
参加予定:荻原康子(企業メセナ協議会事務局次長/プログラム・ディレクター)、樋口貞幸(NPO法人アートNPOリンク事務局長)、横道文司(国際交流基金 文化事業部 舞台芸術チーム長)他

東日本大震災の被災地復興に向けて、民間組織から公的機関まで様々な活動が展開されているなか、芸術分野への復興支援プログラムを立ち上げ実行している中間支援組織の担当者を招き、現在どのような活動をしているのか、また今後の展望について話し合います。

19:00-21:00
セッション2:「俺は演劇だと思ってやっている」

スピーカー:坂口恭平(作家/アーティスト)、卯城竜太(Chim↑Pom [チン↑ポム])

『TOKYO 0円ハウス 0円生活』『ゼロから始める都市型狩猟採集生活』などの著者であり、作家/アーティストの坂口恭平氏によるトーク。地震前から社会に対する危機意識を持って芸術活動を展開。震災直後に、熊本県に被災者避難相談所として「ZERO CENTER」を開設、「新政府」を立ち上げる。アウトフレームで行なうその「芸術」はすなわち「演劇」だという、その「作品」の全貌を紹介します。

原発事故を受けて発表したChim↑Pomの「REAL TIMES」展。アウトフレームで作品展開している坂口氏に対していわばインフレームで発表されていた本催事も多くの話題を呼びました。両者の共通点は未曾有の事故に対して即時に表現者として応答したことです。本セッションに卯城氏を迎え、この未曾有の事態に私たちが表現に関わるものとしてどう応答可能なのかを探ります。

ss2011_kyoheisakaguchi坂口恭平:1978年、熊本県生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。在学中より、「生きていくための建築」とは程遠い現代建築に疑問を持ち、「生きるため」の建築、空間を模索し活動。震災後、熊本県に被災者避難と新しい暮らしを目的とした「ZERO CENTER」を開設。著書に『TOKYO 0円ハウス0円生活』、『ゼロから始める都市型狩猟採集生活』など。
http://www.0yenhouse.com/

ss2011_chimpomChim↑Pom [チン↑ポム]:2005年、エリイ、卯城竜太、林靖高、水野俊紀、岡田将孝、稲岡求で結成したアート集団。2006年に開催された初個展『スーパー☆ラット』で注目を集める。現代社会に全力で介入した作品を数多く発表し、第29回サンパウロ・ビエンナーレへの参加や、2010年に開催された「アジア・アート・アワード」で日本代表に選ばれるなど、海外からの注目度も高い。2008年10月、広島市内上空にChim↑Pom が「ピカッ」の3文字を描いた騒動を検証した書籍『なぜ広島の空をピカッとさせてはいけないのか』を2009年3月に刊行。また2010年に初の作品集『Chim↑Pom』が刊行された(河出書房新社)。
http://www.mujin-to.com/

8月6日(土)

13:00-15:00
セッション3:「舞台技術の現場から」

スピーカー:藤本隆行(インディペンデントディレクター/照明デザイナー)、堀内真人(KAAT神奈川芸術劇場技術監督)、遠藤豊(ルフトツーク代表)

「計画停電」や夏の電力不足が懸念される社会に直面し、舞台芸術を行なっていくうえでのクリエイティブな可能性を技術者サイドから掘り下げ検証し、今後どのような方向に向かって進んでいくかその傾向についても話し合います。

ss2011_takayukifujimoto藤本隆行:1987年、ダムタイプに参加。主に、照明並びにテクニカル・マネージメントを担当する。近年は個人的に、海外も含めた多くのアーティストとコラボレーションを行い、LED照明を含めたデジタル・ディバイスと人体の高密度の同期化に焦点を当てた、有機的な舞台を構築している。

堀内真人:1966年生まれ。舞台監督、演出助手を経て、2003年文化庁在外研修員としてパリ及びロンドンに滞在。プロダクションマネージャー、技術監督として、多くの国内外の演劇およびダンス公演に関わる。08年より神奈川芸術劇場開設準備にも携わり、10年4月より同劇場技術監督。

ss2011_yutakaendo遠藤豊:1977年新潟生まれ。コンテンポラリーダンスを中心に、音楽、映像、デザイン、コンピューターテクノロジーとの関わりを独自に作り出す。02年以降はアートディレクター、プロデューサー、テクニカルコーディネーターとして様々な分野の企画に携わる。05年トランスボーダーな表現と創造的なディレクションを行うための意思として有限会社ルフトツークを設立。2012年にルフトツーク・ヨーロッパをアムステルダムに設立。

15:30-17:30
セッション4:「<表現>としてのデモ」

スピーカー:宮沢章夫(劇作家/演出家/小説家)、三田格(評論家)
モデレーター:桜井圭介(音楽家/ダンス批評家/吾妻橋ダンスクロッシング主宰)

脱原発社会に向けて日本全国で繰り広げられているデモ。その中でも旧来のデモと大きく異なるスタイルの「サウンドデモ」がイデオロギーの違いを超えて多くの人を集めています。このセッションは、デモを「表現活動」ととらえ論じる試みです。

ss2011_akiomiyazawa宮沢章夫:1956年生。劇作家・演出家・作家・早稲田大学教授。「遊園地再生事業団」を主宰し、『ヒネミ』で岸田國士戯曲賞受賞。小説、エッセイ、評論など活動は多岐にわたり、2010年『時間のかかる読書』にて伊藤整文学賞受賞。

ss2011_itarumita三田格:61年、LA生。最近の共著に『ゼロ年代の音楽 ビッチフォーク編』『すばらしいフィッシュマンズの本』、最近の編書に『DOMMUNE公式ガイドブック』『ゲゲゲの娘、レレレの娘、らららの娘』『アンビエントミュージック:1969-2009』『生卵』、最近のライナーノーツにプライマル・スクリーム『スクリーマデリカ ボックス・セット』DJヘル『カミング・ホーム』、最近のCD制作にホワイ・シープ?『エンパシー』『赤塚不二夫トリビュート・アルバム 41歳の春だから』など。レギュラーはエレキング「チクチクビー、チクチクビー」、朝日新聞「FOR YOUR COLLECTION」、 ヴィンセントラジオ「夢見るアメリカン・エアーワイフ」など。

ss2011_keisukesakurrai桜井圭介:『西麻布ダンス教室』『ダンシング・オールナイト』などの著述、『吾妻橋ダンスクロッシング』等のキュレーション、「ダンスを再発見する」レクチャー、「ダンスを発明する」ワークショップ、音楽家として振付家とのコラボレーションなど、さまざまな方法でダンスに対するオルタナティブなアプローチを行なっている。

モデレーター・桜井圭介氏のコメント
 震災・原発事故の後、あちこちで「今、アートに何が出来るか」みたいな話がされてる。これを、自分のこととして考えてみたところ、「んーーーん、ダメ! 無理!! 表現者としてとかじゃなく1個人として普通にボランティアするのがいちばん正しいような気がする」と答えを出しかかったが、でも、この3ヶ月、自分が人前で行為したのって原発やめろ!のデモ行って叫んだり踊ったりしたことぐらいだけど、それが自分にとってすごく大事なことだったわけで、それをまあ<表現>と言ってもいいような気もするのだった。
 そして、人々が意志表示=示威行為するための空間としての「デモ」という形式を、音楽や美術や演劇といったメディア=表現ツールと同じように考えてみるとどうだろうか、とも思った。そのなかでも例えば「サウンドデモ」というスタイルには従来のデモにはなかった新たな可能性が感じられ、そうしたことも言わば <表現>の問題として考えるに値すると思われた。
 さて、宮沢さんにも三田さんにもデモでお会いし、しばし道中をご一緒したのだった。そういえば三田さんはイラク戦争の時のサウンドデモの中心人物だった。宮沢さんはツイッターの僕のTL上で原発事故やデモについて一番多くツイートしていた。
 それで、お2人の話を聞きたいと思ったのだ。

8月7日(日)

11:00-13:00
セッション5:ディスカッション「舞台芸術制作者が求めるネットワーク」

コーディネート:ネビュラエクストラサポート、国際舞台芸術交流センター

世界的な経済危機や国内の劇場法、アーツカウンシル設立に関する議論が行なわれるなか、アーティストや団体が継続的に活動するため、情報や知的財産の共有、政策提言など様々な目的で個人レベルのネットワークが築かれつつあります。また震災直後の対応について国内の舞台芸術関係者の対応が分かれ、業界全体として危機に直面した場合、どのように横のつながりへアクセスしていくかなど新しいネットワークの必要性も浮き彫りになりました。舞台芸術の制作者を中心として展開されているネットワークを牽引する人達を招き、ネットワークの必要性やその目的について議論し、国内外を結ぶネットワーク組織設立に向け話し合います。

15:00-17:00
セッション6:「原子力発電所の『事故』とは何か?」

スピーカー:後藤政志(芝浦工業大学他非常勤講師/工学博士)、鴻英良(演劇批評家)
モデレーター:丸岡ひろみ(国際舞台芸術交流センター)

「3・11」以降、東京電力福島第一原子力発電所の事故が日本を引き裂いています。今も予断を許さないこの事故について、直後から原子力資料情報室のUstreamなどで技術者としての観点からの論理的分析を日々発信している、元原子炉格納容器設計者の後藤政志氏をお招きします。対談の相手役は演劇批評家の鴻英良氏です。鴻氏は福島原発事故に関する東電・政府発表、また報道の在り方などに大いなる疑問を感じており、事故をめぐる事態の何が問題なのかについて、文化論的、演劇論的視点から(つまり斜めの視線から)発言します。

ss2011_masashigoto後藤政志:芝浦工業大学、早稲田大学-東京都市大学大学院共同原子力専攻、國學院大学非常勤講師。工学博士。設計工学、構造設計、産業技術論。元船舶・海洋構造物設計技師。論文『海洋構造物の事故と安全性』(金属学論文)、『21世紀の全技術』他。 柴田宏行(ペンネーム)元プラント設計技術者。原子力技術批判。共著『老朽化する原発』(原発老朽化問題研究会)。池田論(ペンネーム)事故論、産業技術史。元民間企業の技術者。共著『転換期の技術者たち―企業内からの提言』(勁草書房)。

ss2011_hidenagaotori鴻英良:1948年生まれ。2002~2004年まで国際演劇祭ラオコオン(カンプナーゲル、ハンブルグ)の芸術監督も務める。著書に『二十世紀劇場 ― 歴史としての芸術と世界』(朝日新聞社)、『野田秀樹 ― 赤鬼の挑戦』(青土社、野田秀樹との共著)、訳書にタデウシュ・カントール『芸術家よ、くたばれ!』(作品社)、タルコフスキー『映像のポエジア ― 刻印された時間』(キネマ旬報社)、『イリヤ・カバコフ自伝』(みすず書房)など。

関連イベント
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サーカムスタンス『サトルモブ:これが最後であるかのように』
Circumstance “as if it were the last time (a subtlemob)”

*詳しい情報と参加のお申し込みはこちら

英国のアーティストユニットのサーカムスタンスによる街を舞台にした観客参加型のパフォーマンス。参加者は、事前に指定されたウェブサイトからMP3のサウンドトラックをダウンロード。イベント当日、地図に示された場所にいき、サウンドトラックを再生すると、物語がスタートします。参加者ひとりひとりが物語の主人公となり、日常の光景の中で映画のような体験を生み出すという新しい形のパフォーマンス。

日時:8月6日(土)18:30- 横浜市内某所 
参加費:無料
主催:ブリティシュ・カウンシル、急な坂スタジオ、STスポット
共催:横浜市
ヨコハマトリエンナーレ2011連携プログラム

ご予約方法

要予約、当日清算。
1日券(500円)は予約時にご指定いただいた日のみ有効です。
3日券(1,000円)は50枚限定。
定員各回150名。定員に達し次第受付を終了させていただきます。

以下の内容をEメールでお申し込みください。
1)お名前(フリガナ)
2)ご所属
3)連絡先(当日つながるもの)
4)Eメールアドレス
5)3日券/1日券どちらをご希望か(1日券ご希望の場合は日付もご指定ください)

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